私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫夫の複雑性PTSDは、愛着障害から始まった

10年近く不倫をしていた私の夫は、
おそらく複雑性PTSDだ。

彼のその病は、
幼い頃の愛着障害から始まった。

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彼の母親は、
彼に愛情を持っていた。

だけど、
彼が欲した分量の愛を、
母親は与えることができなかった。

彼はたっぷりの愛を感じたかったけど、
その母親は
控えめにしか表現することができなかった。

彼は、
感性の鋭い子供だったから、
愛の渇望感情がより強く感じられた。

何かを訴えたくて泣いても、
母親の反応が鈍いので、
泣き声は強く大きくなってしまう。

彼は、
自分の気持ちを伝えて、
母親に何か対処してもらいたいから、
泣き声もジェスチャーも大袈裟になる。

子供をあやす技量が無いその母親は、
オロオロするばかりで、
どうすることもできないから、
結果的に放置となる。

簡単にいえばネグレクトだ。

そしてその頃父親は、
家庭不在が多かった。

母親ができないのであれば、
父親が不足をカバーできれば良かった。

だけど残念ながら父親は、
そういう役割を果たすことができなかった。

今でいう、
母親のワンオペだ。

そしてそこで更に問題なのは、
母親自身に、
自分が子供にネグレクトしているかも、
と不安に思うことが無かった。

正確に言うと、
そこまでの感度や感性が無かった。

もしその母親に、
子供をもて余している自覚や、
ワンオペ育児に危機感を持っていたら、
周りに助けを呼ぶことができたはずだ。

近くに住んでいなくても、
電話で相談することもできた。
親きょうだいは沢山いたはずだ。

だけどその母親は、
そこまでそれが重要だと感じられないから、
周りに相談するに至らなかった。
何か言ったとしても、
相談ではなくただの愚痴だった。

だからその母親は、
子供が自然に泣き止むのを待つ、
ということがルーティーンになった。

本当は、
自分から子供に寄り添い、
子供の望みを叶えたいと向き合うべきだった。

だけど母親は、
暴れる子供をそっとしておくだけだった。

結果的に、
難易度の低い事案には付き合うけど、
難易度の高い、
面倒な事案からは目を背けることになった。

そんなこんなで結局彼は、
自分の欲しがっていた分量の愛や、
気遣いや暖かい眼差しが得られなかった。

空虚感と、無力感と、失望感に、
ふんわりと包まれた。

激しい攻撃を受けたわけではないけど、
彼の心はしっかりと痛め付けられた。

もし彼が、
母親の気質に近く、
のんびりおおらか気にしない、
というタイプだったら、
ここまで拗れることはなかったはずだ。

だけど悲しいことに、
あまりに感性が異なる親子だった。

とてもやるせないミスマッチだ。

母親に悪気はない。
彼女なりに愛情を掛け、
大事にしていたつもりだ。

だけど事実は、
その子供は愛着障害になってしまった、
ということだ。