私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

夫の不倫相手女は、夫へ面と向かって怨みが言えなかった

夫が10年近く不倫していた相手女は、
妻である私との慰謝料の折り合いが
なかなかつけられずにいた。

むしゃくしゃしたのか、
「他人を怨むのは愚かな行為だ」
と吐き捨てた。

前後の文脈からみると、
「妻の味方をする夫の様子を見て
怨めしく思っていたのだが、
いつまでもそういう感情を持つのは愚かだから、
止めることにします」
という意味だ。

私は先ず、
被害者である妻に対して、
私の夫への怨みをぶつけることに驚いた。

私の夫は相手女に怨まれても仕方ない。
でも、言いたいのであれば直接言えばいいのに。

慰謝料についての話し合いの為、
ふたりきりで何回か電話で会話しているのだ。
もちろん、妻公認。

しかし女は、
その時には全くそれに触れなかったそうだ。

夫に直接言えない感情なのだろう。

もしかしたら今までのふたりの付き合いも、
そんな感じだったのかもしれない。

私の夫にとって、
相手女との付き合いは軽いものだ、
ということが女にも分かっていたから、
ドロドロの本心を隠していたのかもしれない。

本当は、
情熱的に好きだとか貴方と結婚したいとか、
何度もしつこく
言いたかったのかもしれない。

だけど、
吐いてしまうと夫から避けられるかもしれないから、
堪えていたのかもしれない。

また、
私の夫に文句が言いたくて、
私を介した形でやり取りしたいのなら、
「ダンナさんに伝えて!」
と投げればいいと思う。

だけどそうはしなかった。
相手女の意図は、
それとは違うからだ。

おそらく女の主張は
「アンタのダンナはゲスな男ですよ。
一度は怨んでみたけど、
そんなゲス男に振り回されるのはバカらしいので、
賢い私は次に進みます。
そんなゲス男と一緒にいるアンタも、
私のランクより下だと肝に命じよ」なのだ。

要するに、
まだ私に対してマウンティングしていたのだ。

そして更に、
私の感情に対する釘を打ったとも読み取れる。

「アンタは不倫相手の私を憎んでいるけど、
それは愚かな行為よ、憎むのは止めなさい」
ということだ。

しかし実は、
私が一番気になるのは、
「女が私の夫を怨めしく思うのは止める」
という部分なのだ。

あんなにしつこく、他にばれないように、
不倫を静かに続けるよう仕向けた粘着性の女が、
キッパリと怨み心を絶ちきることができるのか。

それは絶対に有り得ない。

相手女にとって「怨めしく思うのは止める」は、
「怨めしくて怨めしくて仕方ない」
と同義語なのだと考える。

夫に対する、不倫相手女の感情はとても深い。
しかも、その深みはまるでヘドロだ。