私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫の加害者と被害者

夫の不倫が明白になった時、
妻である私は、
私の夫と、その不倫相手女の被害者だ
ということがはっきりした。

私は結婚年数の大部分を、
ひとりぼっちで過ごしていた、
ということになる。
小さな子供という足かせ付きで。

不倫をしていたのだから、
夫は加害者で、私は被害者。

正真正銘の私の敵だ。

私と夫は横に並んで、
同じ方向を見つめていると思っていた。

だけど実はいつの間にか、
私の横からこっそり逃げ出していたのだ。

私はひとりぼっちになりたくなかった。

夫と同じ未来を見つめたかった。

苦しい時やピンチの時に、
夫に助けてもらいたかった。

親以外で一番信頼できる、
大好きな人だと思っていた。

私がずっと味方でいて欲しかった人は、
実は随分前に私を見限り、
知らない女に寄り添っていたのだ。

そういう私の見解に対して夫は、
「貴女を裏切ったつもりはない。
貴女をずっと愛し続けていた。
不倫相手にはそういう気持ちは持っていない。
遊びのひとつとしか思っていない」
と訴えた。

心の奥では、
その思いが真実かもしれない。

でも夫のその思いは、
誰にも察することができなかったから、
証言する第3者が居ない。

反面、
夫の不倫行為は証拠があるので、
証言は簡単だ。

だから、
妻である私は被害者、
私の夫はその加害者、
ということは明かだ。

私の夫は、
自分がよその女と関係を持つことが、
妻との対立関係を生み出すと、
想像できなかった。

自分の横の椅子は1つしか無いのに、
2つあると勘違いしていた。

よその女に、
横の椅子に座ってもいいよ言ったから、
その椅子に座っていた妻は、
座っていた場所を奪われてしまった。

バカな妻は、
自分が椅子から蹴落とされたことに気付かず、
ずっと立ったまま、
日々の暮らしと子育てに走り回っていた。

私の椅子を奪ったその女は、
本妻の上に立つという優越感を満喫していた。

そして、
この椅子は仮の椅子だから、
本当の私の椅子を用意することを考えて欲しいと…

夫に今の家族を捨て、
自分と結婚して新しい家庭を築くことを
打診した。
……………

夫の不倫相手女がそう考えるのも、
無理はない。

誰が見ても、
「本妻を捨て、不倫相手女を選んだ」
と思われる言動を夫はしていた。

誰が見ても、
「妻 VS 夫と不倫相手女」
という構図だ。

この構図を理解していなかったのは、
ただひとり、
私の夫だけだった。