私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫の結末

既婚者と独身者の恋愛は、
2人だけの問題ではない。

表舞台には出てこないかもしれないけど、
既婚者側の配偶者も加えて、
3人の問題だといえる。

………
それまで私の夫は、
自分の家族に関わろうとしなかった。
家族を放ったらかしにして、
休日も独身のように遊んでいた。

だけど妻と離婚はしないと、
その不倫相手女に断言していた。

「その男が離婚しないのは、
世間体とか子供を育てる為とか、
はたまた妻の財産狙いとか、
表面的な理由なのだろう…
妻には愛が無いのだろう…」

不倫相手女はそう考えた。
そう解釈するのも無理はない。

「自分の夫を野放しにしている程から、
妻は夫を愛していないのだろう」

その男の日々の言動から読み取ると、
その解釈しかあり得ない。

だからその女は、
妻に不倫がバレた時、
「妻がショックを受けて、
とても傷付いているから、
この関係を終わりにしよう」
という男の理由が腑に落ちなかった。

その男が、
「妻が傷付いているということに
自分の心を痛めていた」のに驚いた。

だからその女は、
「妻は夫を愛していないはずなのに、
ショックを受けるのはおかしい。
妻が愛を示さないから、
私が愛してあげていたのに何を今さら!」
という怒りが湧いてきただろう。

そしてその男へ、
「不倫がバレたら
妻がショックを受けるかもしれない、
ということを折り込み済みで、
不倫していたんじゃなかったの?」
と詰問したかった。

「妻の心を傷付けてもいいから
不倫していたんじゃないの?」

「男の欲望を優先する為なら、
家族の心を犠牲にしてもいいという前提で
成り立った不倫じゃなかったの?」

その女にとって、
考えてもみない展開だった。

その男が、
「妻のことはオレが何とかするから、
貴女には迷惑かけないから」
という気持ちで不倫していたのだと思ったら、
大間違いだった。
………

この不倫劇場、
私の夫と、その不倫相手女は、
登場人物は2人だけだと思っていた。

私の夫は、
自分の妻が第3の登場人物だとは、
夢にも思っていなかった。

不倫相手女は、
第3の登場人物の存在を知りつつ、
舞台に上がらせないように、
その男が阻止するものだと高を括っていた。
うまく言いくるめると思っていた。

しかし事実は、
その男は、
第3の登場人物の存在を認め、
第3の登場人物の苦しい気持ちを
その女に認識させ、
2人の仲を引き裂く理由にしたのだ。

その展開を期に、
その女は、
男への気持ちが無くなった。

1回目の、
3分間の電話では納得できなかったが、
2回目のこの話し合いでしっかり理解した。

だからその女は、
脅迫とマインドコントロール
離れないように縛っていた長年の関係を、
すんなり手放すことにした。

この男は、
頭が悪くて、器が小さいから、
引き留めておく価値がない。
ワタシの前から去ってくれ。

そう思ったに違いない。

だから、
振ったのはその女で、
振られたのは私の夫だ、
と判断しても間違いない。

私の夫は、
不倫相手女から捨てられた、
ということだ。