私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫相手女からの怨みは黒く深く

私の夫は10年近く不倫をしていたが、
妻である私に見つかり終止符を打った。

怒りが収まらない私は、
取り急ぎ不倫相手女に慰謝料を要求した。

支払いについて、
私の夫は相手女を説得した。

夫が妻とタッグを組んだことを理解した相手女は、
男が自分の都合の良いことばかり言って、
相手女だけを悪者に仕立て上げたと勘違いし、
私の夫に怨みを抱くようになった。

……………
夫は二股を掛けていたので悪者だ。
だけど不倫相手女が怒ったのはそこではない。

それは承知の上のことだ。
わざわざ不倫を仕掛けたのは相手女だから。

…予想外のことが起きたからだ。

この騒動で妻である私がギャーギャー言っても、
男の方で収めてくれると
高をくくっていたのだ。

それが相手女へ火の粉が飛んできてしまった。

しかも、火の粉が飛んでいることを、
見てみぬふりをしているかつての男。

それどころか男は妻と一緒に扇いで、
火の粉を勢いよく飛ばしているように見えた。

下に見ていた不倫相手の妻から咎められ、
大金を要求されている。

しかも、かつての犬は、
敵地に尻尾を巻いて逃げていった。

なんだあの男、
肝心な時に使い物にならない。
いつもはでかい口叩いて、
大物ぶっていたのに。

何でも知っている雰囲気を醸し出し、
デキル男風だったくせに。

「お前は私の犬だったはず。
犬の分際で、私を貶めるのか。
自分の事は棚に上げ、
相手の女が全部悪いと、
どうせ罪を擦り付けているんだろ!!」

そうやって
相手女の憎しみは倍増されたのだろう。

不倫相手女の、夫への激しい憎しみは、
私宛のメールからひしひしと感じる。

私の夫は、
不倫相手女から恨まれたくなくて、
女を蔑ろにしないよう、
当たり障りのない対応をするため、
不倫を続けてきたのに、
最終的に怨まれてしまった。

今まで相手女に好かれていたと思っていた男は、
その状況を理解して震え上がった。

私の夫はかつてチヤホヤされたくて、
家庭を顧みず、
他人に八方美人を振り撒いてきた。

だから今、
自分がこんなに憎まれてしまったことは、
彼の歴史の中でも
トップクラスで恐ろしい体験である。

私は夫に注意を促した。

「刺されるかもしれないから、
通勤中は特に注意して!
もし暴力されそうになったら、
しっかり捕まえて警察につき出してね!」

そうなれば、
刑事事件として扱われ、
正真正銘の悪者として訴えることができるので、
それもいいかもしれないと思った。