私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

私の夫は、不倫相手女のイネイブラー

夫の不倫相手女は、
今の自分の状況が悪いことを、
他人のせいにする。

自責の念が無いと言って他人に怒るくせに、
ホントに自責の念が無いのはその女だ。

他人に対する文句や怒りがこんこんと、
枯れること無く湧き出てくる。

自分の身を守るため一生懸命、
ワタシは悪くないと演説する。

その怒りを聞く役目が、私の夫だった。

私の夫は、
その女の演説の傍聴がめんどくさくて、
「そうだね、キミは悪くない」
となだめていた。

それでも不倫初期の頃は、
「いやいや、アナタおかしいでしょ?」
と堂々と反論していたそうだ。

だけどそう言うとその女は、
更にキーッとなって収拾つかないから、
いつからか反論はしないことに決めたらしい。

そしたらその女は、
ますます調子に乗ってくることになった。

「そうでしょ?やっぱりそうだよね!」
オカシな自信が増幅される。

私の夫は、
不倫相手女のイネイブラーだった、
ということだ。

本来、私の夫は、
そのような性格をとても嫌う人だ。

でも悲しいことに、
脅迫されて、正しい判断力を失っていた。

大抵の人は、
嫌悪感を持つ相手には近付かない。
間違えて近付いてしまったら、
目立たないように離れることを試みる。

だけど弱みを握られている夫は、
その女を怒らせないよう、
むしろ喜ばせるよう、
自分の心を無にして、
恐ろしいゲームに挑んでいた。

アイツは、オレのことが大好きだ。

アイツの気持ちはいつもオレに向いている。

アイツをコントロールしているのはオレ。

オレはアイツを支配している。

そう自分に暗示を掛けて、
その女と不倫を続けた。

夫がその不倫相手女のことを、
本当に愛しているのなら、
そういう関係もアリなのかもしれない。

だけど夫の本心はそうではない。

ただ単にめんどくさいだけなのだ。

怒らせてヒートアップして、
社内不倫を暴露されたくないのだ。

私の夫は、
そういう甘さから、
不倫相手女がモンスターになる手助けをした。

もともとは
「チビモンスター」でしかないその女。

しかし、
立派な「デカモンスター」に
成長させてしまったのは、
間違いなく私の夫だ。

私の夫は、
「あの女は所詮他人だから、
アイツが周りからどう思われてもいいと、
テキトーな、アイツが喜ぶ言葉を並べていた」
とその時の気持ちを振り返った。

その女の元から脱出できないから、
そうするしかなかった、
ということなのだ。

「デカモンスター」に成長したその女は、
間違った自尊心を得て、
イキイキとした生活を送っていた。

「周りがオカシイのよ!
ワタシにはワタシのことを理解した男がいる!」

デカモンスターのおはなしの結末は、
どうなる予定だったのだろう。

想像しただけで身震いがする。
どれに転んでも、
ハッピーエンドにはなり得ない。