私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫相手女は、妻より自分が不憫だと思いながら不倫を続けた

夫の不倫相手女は、
その男の妻である私に対抗心を燃やした。

その女は、
自ら私達夫婦の中に割り入り、
他人の夫を自分のものにしたいと切望した。

しかしその男とは、
対等な恋愛関係が結べなかった。

その男は、
その女を性の道具としてしか扱わなかった。

それを不当に感じたその女は、
その男より優位に立つ為に、
脅迫して洗脳した。

その女を怒らせたら面倒なことになる…
そう感じたその男は、
「この関係はオレがコントロールしている」
と間違った認識を自分に言い聞かせた。

…………………………
この不倫は、
相手女の強い願望で始まり、
強い意思で10年近く続けられ、
強い執着で不倫が終わるのを拒んだ。

要するに、
不倫相手女の胸先三寸次第だった。

その男は妻と離婚しないどころか、
もし離婚したとしても、
自分と結婚してくれそうにない、
という察しを付けた上で。
…………………………

世間でよく聞く既婚男と独身女の不倫は、
男は女が喜ぶような嘘をついて、
ファンタジーの世界を楽しんでいる。

現実の生活から離れた所でオママゴトをして、
フワフワとうわついたやり取りをしている。

でも、
私の夫とその不倫相手女の間には、
そういう楽しげなものは無かった。

いつも緊張を走らせ、
食うか食われるかという、
弱肉強食の関係だった。

ふつうの女性なら、
そんな関係なら早く清算してしまおう、
と思うのだろうが、
その女にとっては続ける方が得だったようだ。

ひとりでいるよりはいい。

だけどやはりふとした瞬間に、
自分の立場が
不憫でたまらなくなることがあった。

そういう立場に追いやっているのは、
自分に他ならないのだけど、
その女はそうは考えない。

その男とその妻が悪い。
そう考える。

その男の妻さえいなければ、
妻の存在が無ければ、
ワタシはこんなに苦しまずに済んだのに。

ワタシはどうして、
こんなに可哀想なのだろう。
こんなに頑張っているのに、
なんでこんなに悲しい境遇なんだろう。
どうしてあの男は、
ワタシのことを助けてくれないのだろう。
どうしてあの男は、
妻を捨ててワタシを選ばないのだろうか。

その女は、
その女自身が能動的不倫を断行することが、
その男の妻の人生を踏みにじることに繋がる、
という所まで理解が及ばない。

どれだけ、
その男の妻にダメージを与えることになるか、
という所まで考えられない。

ただ、
自分が不憫で不憫でしょうがない、
ただそれだけ。

そして、
その男の妻は可哀想じゃない、
むしろ幸せな人だ、
と思うのだ。

だから、
「奥さんには迷惑掛けてない」と言い放ち、
慰謝料の減額を主張しようとしたのだ。

その女は高学歴で、勉強は良くできる。
暗記も得意だ。

そんなに高性能な脳を持っていても、
悪質な生育環境ではこうなってしまうのか。

私は、
ひとりの人間の限界を目の当たりにして、
「心地よく生きるとは、
どういうことなんだろう」と、
考え込んでしまう。

私の夫との不倫は終わったが、
その女の生き方は今後も変わらないだろう。

いろいろな障害物に、
自分からぶつかりに行き、
血が出たりアザができたりしても、
ぶつかりに行くことは止められない。

命のある限り、
自分で自分を苦しめ続けるのだろう。

自分では全く気付かないままに。
他人のせいにしながら。