私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

女性は話を聞いてもらいたい生き物

私の夫は、
不倫相手女を平常心に保つ為、
いつもその女の愚痴を、
反論せずに聞いていた。

その女の発言や主張に対し、
私の夫が同調しているように見えたので、
おかしな自信はどんどん増幅し、
デカモンスターに成長した。

「ひとりの人間」としては、
恥ずかしい姿である。

欲張って、
あるエサを全部平らげてしまうから、
ブクブクのデカモンスターだ。

そのエサには、
どれだけの愛や真実が含まれているのか、
そういうことまで考えが及ばないのだ。

だけど、
「ひとりの女性」としては、
とても羨ましい。

私は、
夫がその女の話をおとなしく聞いていた、
という話を知って、
大粒の涙が出てきた。

子供が生まれてから、
夫は私の話をほとんど聞いてくれなかった。

子供がいる時にはできないような、
パートナー同士の話をする機会を、
作ろうとしなかった。

子供が寝た後に、
ふたりでお酒を飲みながら、
のんびり話をしたいと、
訴えたことがあったけど、
一度も実現しようとしなかった。

ちょっとした相談なら、
日中の仕事中にメールをして解決できるけど、
そんな内容ではない、
私の他愛ない話を聞いてほしかった。

夫は仕事関係の付き合いで忙しいから仕方ないと、
私の中で折り合いをつけようと努力した。

だけどホントはそんなに忙しくはなく、
その代わりに、
不倫相手女の話を聞いていたのだ。

大抵の女性は、
そうだね、そうだねと、
自分の話を同調するように聞いてほしいものだ。

不倫相手女は、
そういう機会を10年近く手に入れることができ、
妻である私は、
そういう機会を10年近く持つことができなかった。

夫は、
「アイツはめんどくさいから、
実は内容を聞かず
ただ同調していただけで、心は全く無い」
と弁解した。

いやいや、、、
だから、
話を聞いてもらうだけで、
女性はパワー充電できるんだから。

アドバイスが欲しい訳じゃなく、
オチの無い、今日あったことのあれこれを、
ただ好きな人に喋りたいだけなのだ。

私の夫は、
不倫相手女に対しては、
愛の心は無く、
BGMのようにその女の話を聞いていた。

私に対しては、
自分の家族だからと誠意と責任の気持ちで、
話しかけられた時だけ、
明瞭簡潔に対応していた。

「ひとりの人間」としては、
きちんとした対応をしてもらっていた、
といえるかもしれない。

だけど、
「ひとりの女性」としては、
あまりにも悲しい立場だった。

私は女性なのだろうか、
ブクブクのデカモンスターの方が、
女性の幸せといえるのではないだろうか…

うつ病でヘナヘナになっていた私は、
デカモンスターが羨ましくて仕方なかった。

夫に甘やかされて、
エサをたくさん食べて、
ブクブクに太って、
その女みたいにデカモンスターになりたい、
と切望した。