私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

友達がいないアラフォー独身不倫女

夫の不倫相手女は、
多分、友達がいない。

大抵の女性は自分の好きな男性に、
友達とこんな所に遊びに行ったとか、
旅行を計画してるとか、
こんな話になったけどどう思う?とか、
自分の友達とのあれこれを
聞いてもらいたいものだ。

結婚を望んでいるくらい、
自分の人生に関わる相手ならば、
自分自身のことを知ってもらいたい、
自分の友達の事を
好きな男にも伝えたいというのが、
女性心理の自然な姿のはずだ。

だから夫の不倫相手女が、
私の夫にそういう類いの話を全くしなかったのは、
とても不自然なことだといえる。

夫とその不倫相手女は10年近く、
メールなどは日常的に、
週3~4日は電話で話をし、
月2回は会っていた。

そこでその女が提供する話題は、
仕事が上手くいったとか、
誰かから褒められたとか、
仕事仲間の言動に腹が立つとか…
仕事に関することばかりだった。

そのほかは、
他の男性に誘われた話や、
生まれ育った家庭での不遇や、
死にたいと思うことがあることを、
時折漏らすくらいだった。

私の夫と
そんなに沢山話す時間があったのにも関わらず、
自分の友達のことについて、
触れることが全くなかったのだ。

これは、
その女には、
お互いに心をゆるしあい繋がっている、
という友達がいないと断定できると思う。

……………
私の周りにいる、
風変わりなあの人も、
意地悪なあの人も、
私の知っている人には皆、友達がいる。

あんなに変わり者なのに。
あんなに性根が腐っているのに。
私は絶対にあの人の友達になりたくないなー
と思うような人にも、
ちゃんと友達はそれなりにいるのだ。

だから私はそれまで、
どんな人でも友達はいるものだ、
と思い込んでいた。

だから、
不倫相手女に友達の気配が無いことを、
とても驚いたのだ。

これでは、
「結婚しなくても、
一緒に遊べる友達がいるから充実してるよ!」
という生き方ができない。

または、
「友達の子供を、自分の子のように可愛がろう!」
という楽しみが持てない。

生まれ育った家庭とも齟齬があるので、
そこに拠り所は無い。

だからその女には、
一緒に食事や旅行を楽しんでくれる人や、
その女のことを本気で心配してくれる人がいない、
ということだ。

そこでボンヤリ浮かび上がってきた人材が、
私の夫だということになる。

私の夫はうっかりワナにはまり、
逃げる手立てを失ってしまった。

そして、
その女のまさに「唯一」の「近しい人物」
というポジションを拝受したのだ。

私の夫は、
ひとりの人間の心の中で、
一番高い位に就くことができたことを、
とても誇りに思った。

自分の魅力の成せる業だと、
大きな勘違いをしていた。

相手への愛が無い不倫をしていたふたりは、
それを「大丈夫?おかしいよ?」と
注意してくれる友達がいないから、
その歪みをどんどん強くするだけだった。