私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

自分で自分を苦しめる生き方をしていた、不倫相手女

私の夫と不倫をしていた独身女は、
私の夫と結婚したいと切望していた。

最初は、
「ワタシと結婚できないかな………?」
と打診した。

次の機会では、
「もし、今の奥さんと離婚しても、
ワタシとは結婚しないよね………?」
と質問した。

そういう控え目な言い方にも関わらず、
夫はいずれも、
ハッキリキッパリNO!
と返事した。

その男との結婚は無い、
ということを突き付けられたにも関わらず、
その女はその不倫を止めなかった。

一時的に疎遠になることはあったが、
その女からまた連絡をとり始める、
ということを何度か繰り返し、
不倫が長期化した。

普通の女性なら、
不倫相手の男からこんなNO!を言われると、
「これは無理だ」と思うものだ。

悲しい切ない気持ちを通り越して、
嫌悪感や怒りが生まれ、
生理的にイヤになるかもしれない。

または、
若い頃なら、
そういう不毛な恋愛も経験のうち、
ということは有り得る。

だけどその女は、
その頃既に立派なアラフォーだった。
そんな男に付きまとう暇はなかったはずだ。

そしてその女は私の夫に時折、
自分の悲しく苦しい思いを吐露していた。

「こんなに貴方に冷たくされるのに、
それでも貴方のことが好きなワタシはバカだね」

端から見ると本当にバカそのもの。

だけどそのセリフは、
実は自分の事をバカだと思っていない、
というものなのだ。

「ワタシはこんなに貴方を好きなのに、
それに応えない貴方はバカだよ?
貴方は、本当は賢い男でしょ?
奥さんから野放しにされ、
男扱いされていない貴方に本当に必要なのは、
ワタシだと思うよ?目を覚ましてよ!」

そう言いたいのだ。
その女は、そういう言い方をする人なのだ。

だから、
私の夫を絶対に離そうとしなかった。

ならばその女は、
私の夫を本当に愛していたのか?

それもNO。

もしその女が、
現実味を持ってその男が好きで、
愛そうとしていたのなら、
その男も違う感情を持ったはずだ。

その男は、
相手女から愛を感じなかった。
だから雑な扱いをしたのだ。

その女が愛ではなく、
「女性としての性」と「脅迫」
で迫ってきたから、
その男も、
それに見合う程度のものしか
提供する必要がないと判断したのだ。

そういう女だから、
そういう女の扱いをしただけだ。

目には目を歯には歯を、
ということだ。

それなのにその不倫相手女が、
その男から離れなかったのは、
離れてしまったその時に、
「自分が奥さんに負けた」
というジャッジが下りるからだ。

その女は、
噂で聞いただけのその男の妻に対抗心を燃やし、
優越感を感じたくて、
その男を離さなかったのだ。

どうも、
レースが終わらなければ勝負は決まらない、
だから延々とレースを続ける、
という理論のようだ。

レース途中の劣勢は、
考慮しないらしい。

そんな茶番劇の為に、
その女は大事な女盛りを費やした。
10年近くも。

その女は、
自分しか見ていない。

周りの状態はもちろん、
俯瞰して自分がどういう状態なのかという事を、
判断できない。

客観的にアドバイスしてくれるような、
信用できる友達もいない。

だから、
自分の状況が正確に判断できず、
結局、
大切なはずの自分自身を苦しめ、
窮地に追い込んでしまった。

そういう泥沼と決別したくて、
大衆心理学や占いやセラピーを習い、
心の平安を探したが、
全く役に立たなかった。

お金や時間を沢山使ったのに、
その女の精神的な成長や達観には
結び付かなかった。

挙げ句の果てに、
そこでお金を使ってしまうから、
貯金ができなかった。

そして
不倫慰謝料を満額用意できないその女は、
親に借りるしかなかった。

全く持って、
一人相撲をしているその女。

性格の悪い私の夫は、
そんな相手女を
「バカな女だ」と
冷ややかな眼差しで見るだけだった。

その女の生殺しに加担した、
その女のイネーブラーだ、
という意識は全く無いままに。