私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

夫と独身女の不倫劇場(with 妻)

夫にとってその不倫は、
パチンコやフーゾクのような遊びだった。

今日は何して遊ぼうという程度のもので、
たまたま相手がパチンコ台だったり、
飲み仲間だったり、
フーゾク嬢だったり、
不倫相手女だったり、
というものだ。

【夫 と 対象物】
という2者の問題だった。

対象物は、
日替わりでチェンジした。

一方、不倫相手女は、
自分の命を繋ぐ為の希望を求めた。

組織の仲間から疎まれ、
自分の専門資格に縛られた生活に苦しんだ。
その専門分野のセオリーが
気に食わなかった。

劣等感にまみれたその女は、
絶対的な優越感を求め、
トロフィーとなる愛人を探し、
私の夫に辿り着いた。

その男はもちろんだけど、
その男の妻の評判がとても重要だった。

その男の妻の評判が高ければ高い程、
その男を奪う価値が上がる。

同時に、
豊かなものを抱えて、
ふんぞり返っている妻を想像した。

そして、
その女が欲しいものを、
沢山持っているように見えた妻に嫉妬した。

その女は、
「その男」を見ているのではなく、
その男の後ろにいる「妻」を見ていた。

だからその女にとってこの不倫は、
【その女 と 妻】
という2者の問題だった。

ということはその女は、
私の夫をダシにして、
妻に挑戦状を叩きつけたことになる。

その女は、
不倫生活10年近くもの間、
妻に戦いを挑み続けていたということだ。

何も知らない妻を相手に、
その女は届かない挑戦状を書き続け、
妬みと嫉みを募らせた。

妻に対する嫉妬の風船はパンパンだった。

そしてついにその男から、
「不倫がバレた。
妻が悲しんでいるから別れよう」
と言われて破裂してしまった。

長年に渡って絶えず攻撃して
ダメージを食らわせていたつもりが、
たった一撃で妻に負けたのだ。

味方だと思っていたその男が
寝返ったからだ。
………

その男は、
不倫相手女のことを『人』として見ていなかった。

そして同時に、
その女もその男を『人』として見ていなかった。

だけどひとつ言えるのは、
その女は、
「その男の妻だけを『人』として見ていた」
ということだ。

人として見ていたから、
嫉妬して、
その妻のポジションが欲しい、
と願ったのだ。

そうやってその女は意図的に、
妻を窮地に追い込む作業を、
こっそりコツコツとしていたのに、
不倫がバレた時から、
「私は悪くない。
私は奥さんに何もしていない」
と事実とは逆のことを言い出した。

その主張はきっと、
自分が妻に見えない攻撃をしていた、
という自覚があるから出たのだ。

その主張は、
「奥さんが嫌がることを意図的にした」
に等しいのだ。

とても心当たりがあるから、
自分の護衛の為に何度も言うのだ。

結局その女のそのおかしな主張は、
私の弁護士との話し合いの
最終段階まで連呼されることになった。