私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫女が、バックファイア効果をより強固にした理由

私の夫と不倫をしていたその独身女は今、
「バックファイア効果」に
見事にはまっているようだ。

その女は、
「その男と愛し合っていたが、
妻から仲を引き裂かれた。
その男が愛しているのはワタシなのに」
だという妄想を産み落とした。

だけれども、
昔、
2人が愛し合っていたことも、
今、
その男がその女を愛しているということも、
どちらとも事実は全く逆だ。

その女が一方的に愛を押し付けただけだし、
現在その男は、
その相手女のことを疎ましく思っている。

要するに、
その男がその女を愛したことは
一度も無い。

しかし今、
その女がそんな妄想に駆られているのは、
もしかしたら、
私のせいもあるかもしれないと、
少しだけ心がざわついている。

……………………………………………………………
その女が、
慰謝料支払いを拒んでいる時、
私は弁護士に打開策を提案した。

「妻が大きなショックを受けたのは、
2人が愛し合っていたと思ったから」
ということを伝えてもらったのだ。

愛が得られなかった可哀想な妻に、
せめてお金を恵んであげよう、
という上から目線の慈悲でいいから、
早く決着をつけたかった。

実は当時その女は、
その男の愛が無いのを理解していた。

だから、
弁護士の話に異議があった。

「その男はワタシに興味なかったし、
愛していたのは妻だから、
妻がショックを受けたからお金を払え、
という主張は納得いかない!」
と叫びたかったはずだ。

だけど、
絶対に裁判は避けたかった。

だからその反論を飲み込み、
歯を喰い縛ってお金を差し出したのだ。

そして…
独りぼっちになって、
認識を180°変更したようだ。

「色々考えてみたけど、
やっぱりワタシは愛されていたんだ!
妻への気持ちはウソなんだ!」
とそれまでの認識を、
反対方向へ覆したようだ。

「妻が言っていたのが本当だったんだ。
妻は愛されていなかったから、
ワタシに激しく嫉妬したんだ。
可哀想なのは、
ワタシじゃなくてやっぱり妻の方だっんだ。
愛が無いからお金を貰うっていう考え方は、
とても不憫で不幸だね」
という解釈なのだろう。

確かに私は、
慰謝料交渉の時、
その不倫相手女がそう考えてくれたら…
という気持ちだった。

その女を気分良くさせれば、
交渉が円滑に早く終わると思っていた。

妻が創った愛の物語は、
あくまでその交渉時だけ
本当のことのように扱われ、
交渉後は、
悲しい真実を思い出したその女が、
打ち消すものだと思っていた。

しかし現実は、
その女は妻が創った愛の物語を、
実際のこととして分類し、
その女とその男の、
やるせない儚い物語に仕立て上げたのだ。

だからだろう。

その男に、
「ワタシの元に戻ってきたらゆるします」
という気持ちになるのは。

この嘘の物語を打ち消すことができるのは、
私の夫しかいない。

私の夫が不倫相手女に、
「貴女を愛したことはことは無いし、
もちろん今も愛してない。
貴女と関わって嬉しいと思ったことは無く、
今後も絶対に関わりたくない」
とキッパリ言い切ることができれば、
いいのだけれど。

バックファイア効果にはまってしまった、独身不倫女

コロナウイルスに関するデマについて、
「バックファイア効果」
が起こっているという話がある。

バックファイア効果とは、
信じているものを否定されると
前より更に強く信じてしまうという、
心理学分野の用語であり現象だ。

但し、
この効果の存在について、
充分な検証ができていないから怪しい、
という話もあるようだ。

しかし私は、
この効果は「存在する」と考えている。

私は、
夫の不倫相手女を観察した結果、
これにあたいする現象が、
今まさに繰り広げられていると思う。

だから、
是非とも臨床研究の1ケースとして
カウントしてほしいのだ。

……………………………………………………………………………
その不倫相手女が信じていたものは、
「その男から愛されていた」
ということだ。

その男とは、
その女と不倫をしていた私の夫のことだ。

だけど妻に不倫が見つかり、
その男はその相手女との別れを決断した。

弁護士は
不倫カップルの別離は当然で、
妻への慰謝料支払いをすべきだと
その女に告げた。

要するにその女は、
その男との恋愛を社会的に否定された。

しかし法的整理が終了し、
いくらか月日が経った今、
「その男から愛されていた」
と信じる気持ちが
ますます強くなっているようなのだ。
……………………………………………………………………

だから、
その男がその女の元に
戻ってくる可能性を感じたり、
その男が愛しているのは、
妻でなくその女なのだと思ったり
しているのだ。

その男は、
体裁の為に仕方なく家庭に戻ったのだと
想像している。

正しいカップルは、
「その男とそっちの妻」でなく、
「その男とワタシ」だと信じている。

そして妻である私は、
その女が
どうしてバックファイア効果にはまったのか、
考察を進める。

その女には、味方が少ない。
友人も少ない。
職場の人間関係も芳しくない。

本人は根も葉もないことを言われ、
悪者扱いされて嫌だというけれど、
私としては火のない所に煙は立たぬ、
という気がする。

そういう嫌われ者の独りぼっちにとって、
唯一の近しい人が、私の夫だった。

その女には、
私の夫しか残っていなかった。
だから、
何が何でもその男は離したくなかった。

だけど無理矢理引き裂かれた。

その男と会ったり話したりはもちろん、
接触も禁じられたので、
その女は、
その男を勝手に自分の心の中で生かした。

この時点で、
「本物のその男」と、
「その女の心の中で生きるその男」と、
2人のその男が誕生した。

その女は、
自分の心の中で、
勝手にその男の虚像を作り上げた。

その虚像は、
その女の都合に合わせて成長するので、
その女の欲しい言葉を発し、
好ましい行動をする。

その女は、
その男からしっかり愛されていた、
という確証が欲しいから、
妄想の中で、
薔薇色の恋物語が繰り広げられる。

あまりにも現実逃避したいその女は、
妄想と現実の区別がつけられない。

その妄想を現実のものと判定し、
「やっぱり彼は私を愛していた」
という確信に至るというわけだ。

もしかしたら、
私達がよく経験する、
「あの時は嫌だったけど今は良い思い出」
というのも、その類似版かもしれない。

だけどその女は、
病的にこじらせた歪んだ解釈なので、
私達がよく体験する事例なんて、
足元にも及ばない。

その女が今陥っているものこそ、
バックファイア効果そのものだと
私は感じる。

それにいったん陥ってしまうと、
事実を告げても、
逆効果になって、
最初に信じたことをより強固にするらしい。

そうなれば、
認知の歪みは更に酷くなる、
ということなのだ。

まさに泥沼だ。

何となく付き合い出したら不倫だったという人達は、ゾンビかもしれない

その女はそれまで、
異性ときちんとしたお付き合いを
したことがなかった。

そういう時に、
同じ職場の先輩男性から、
異性としてのお誘いを受けた。

その男性は、
小太りな中年の既婚者だ。

その女の好みではなかったが、
生まれて初めて
女性として扱って貰った心地良さから、
数年ズルズルと付き合った。

それがその女の1回目の不倫だ。

意外に簡単に始められ、
意外にバレないということを、
身を持って知った。

モテない小太り男の、
気分転換の餌食となってしまった。

そして小太り男と離別の後、
初老の男から結婚を打診された。

その女の2倍以上の年齢だ。

初老男は、
一通り結婚、子育て、離婚を経て、
第二の人生を始めようとしていた。

その女はアラサーとなり、
結婚を意識し始めていたが、
その初老男とは気が乗らない。

前の小太り男と一緒で、
都合よく扱われようとしていることを察した。

何となく求められて付き合うのは、
何か違うと感じた。

自分の好きなタイプの、
好みの男と付き合いたいと思った。

その女は、
自分の本当の気持ちを大切にしたいと思った。

今までは、
求められるままに応えていただけだったけど、
自尊心を持つべきだと自分を奮い立たした。

自分を大切にしないのは、
自分自身に失礼だから、
今、自分は変わるべきだと思った。

だから、
以前から好きだった同僚の男に近寄った。
とても好みのタイプで、
学生時代だったら話もできないくらい、
キラキラした男だった。

その男の側に居たら、
自分の価値も上がる気がして、
男女の仲になりたいと強い想いを起こした。

そしてその女は、
妻子ある私の夫を食事に誘い、
そのまま帰りたくないとアピールし、
不貞行為へと持ち込んだ。

その女は、
既婚男性と2度不倫を経験したが、
1人目は押されて始め、
2人目は押して始めた。

その女の餌食となった私の夫は、
その女に押されて始めたということだ。

その女は、
自分が餌食になったことを悲しみ、
自分を尊重する為に、
他人を餌食にした。

まさか餌食になっているなんて
深い考察ができない私の夫は、
パチンコと同じ感覚で、
その女との不倫を受け入れた。

その男は、
その女のことは好みでないばかりか、
小バカにしてるくらいだけど、
「都合のいい女」ということにして、
何となく付き合い出した。

………………………………………………………………

私の夫と、
その不倫相手女は、
異性の戯言に流された結果、
不貞に手を染めることになった。

不倫なんて、
そんなものかもしれない。

誰かが餌食にされ、
餌食にされた人は、
別の誰かを餌食にするという構図は、
ゾンビが増えていくのと全く同じだ。

ゾンビは、
そういう浅ましい人間の心を
体現したものなのかもしれない。

不倫相手男をゆるしたいけどゆるせない、不倫女

私の夫は独身女と、
10年近くも不倫していた。

私は、
弁護士に仲介してもらい、
不倫カップル今生の別離を誓った公式文書と、
相手女からの慰謝料を得た。

あれから約3年経った今、
その男のことを、
ゆるしたいけど、
ゆるせないのだそうだ。

現状バイアスと脅迫に負けた男が、
しつこく粘着する女と起こした不倫。

心の通い合いは無く、
お互いに消費し合い、
ズタボロになるだけの負の関係。

そんな虚しい不倫の顛末を、
優しく儚い恋物語に書き換え、
自分を悲劇のヒロインに仕立てたその女。

「貴方が本当に愛しているのはワタシでしょ。
だけど、別の人と結婚しているから、
ワタシたちは引き裂かれ、
貴方は仕方なく妻の元に行ったのね。
それは、貴方の本意ではないんでしょ。」

更に、

「ワタシ今は、
貴方をゆるしたいと思っているのよ。
あの時より成長して、
貴方の愛を受け入れる準備ができたよ。
だから、
貴方がきちんとワタシと向き合ってくれて、
ワタシのところに戻りたいというのなら、
全部ゆるすつもりよ」

というのだ。

あくまで、
その男をゆるす時は、
その男が今の家庭を捨て、
その女と結婚する時だ、
という主張なのだ。

ゆるしたいけどゆるせない、
というのは、
その男が戻ってこない限りゆるさない、
ということなのだ。

しかしその男…
すなわち私の夫は、
万一今の家族と別離したとしても、
その女との復縁する気は全くない。

夫にとってその女は厄介者で、
二度と関わりたくない人物だ。

だから、
その女の願いはおそらく一生叶わない。

そもそもその女は、
「自分が未熟だったから、
その男からの愛を受け流してしまった」
と言っているのだから、
そうだとすれば、
そのすれ違いはその女の過失だ。

それなのに、
その男に「ゆるせない」というのは、
その過失を転嫁しているとしか思えない。

過去のあの大事な場面で、
相手ときちんと向き合わず、
その男の言動をそでにしたから、
すれ違ってしまったのだ。

だから、
その男が
「オレの愛を無視したあの女をゆるせない」
というのならまだ解る。

その女の方から
「ゆるせない」
という発信があること自体が間違いだ。

だけどそもそも、
その男…私の夫は、
その女に対して
愛を持っていなかったから、
愛を伝えようとしたことも無いはずだ。

おそらく、
ちょっとした、
肯定したような言動を愛のメッセージだと、
その女は勘違いしたのだろう。

恋人同士でなくても
ただの会社の同僚同士でもあるレベルの、
何気ない、
相手を褒めるような言動。

そんな些細な言動を、
妻子ある男から発せられた、
責任感がある
重大な言動として捉えたその女。

認知の歪みというエラーを、
何度も重ねた。

不倫の終焉から、
リセットしてやり直せばいいのに、
その続きを懲りもなくやっているその女。

夫はもう既に、
不倫についての謝罪はしたはずだ。

だけど「ゆるせない」というなら、
無理にゆるす努力をする必要はない。
ゆるすという
高尚な体験をする必要はない。

むしろ、
その女がゆるす経験をして、
何かを乗り越えて
成熟した気分になってほしくない。

私からみてその女は、
残忍な事件を起こした加害者が、
「ワタシは悪くない!
悪いのはあいつらだ!!
このままじゃ絶対にゆるさない!!!」
狂言的にわめき散らしているのと
同じ類いの人間としか思えない。

他人をゆるす経験をする何千歩も前に、
自分の過ちに向き合い、
「ワタシは悪かった」
と腹落ちさせなければならない。

夫の不倫相手女は、悲劇のヒロインに変身してしまった

私の夫の不倫相手女は、
どうも妄想癖があるようだ。

3年程前に終わった不倫時のことを、
自分の都合のいいように美化しているようだ。

うっとりとするような、
まるで恋愛小説の中の名場面に加工して、
自分のことを、
悲劇のヒロインに仕立て上げている。

……………………………
その女は、
男の誠実な愛溢れた女への想いを、
仄かに感じてはいましたが、
素直に受け止めることができませんでした。
そのすれ違いは、
悲しい過去となってしまったのです。
その後、少し大人になった女は、
今だったら、
もっと素直に男の話に耳を傾け、
その男の暖かい気持ちを
受け入れることができるのにと、
未熟だった過去の自分を後悔し、
うっすらと涙を浮かべるのでした。
………………………………

愛溢れる男女の、
美しい物語なのです。

男の愛を感じながらも、
女の方が受け入れることができず、
成就が叶わなかったという、
儚く悲しい物語なのです。

でもそれは、
事実とはやや異なる。

女は、
自分がその男にとって遊びの女で、
セカンドにも満たない女だと、
何となく解っていたはずだ。

だから、
見捨てられないように脅迫していたのだ。

男の優しい言葉は、
上っ面だけで中身が無いことを知っていた。

だから、
男が発する、
その女を肯定するような言葉を、
そのまま受け入れることができなかった。

その女は、
男が嘘をついていることを知っていたから、
その嘘を受け入れるのを躊躇した。

私はそんな罠にかかる程バカじゃないよと、
少し腹立たしく思ったはずだ。

それが…
時間とは恐ろしいものだ。

ズルい男が、
愛のある男に
変貌を遂げたのだ。

その女は、
「男に愛されていたけど、
ワタシに勇気が無かったから」
ということにしたのだ。

「ワタシに、
もっとカレを信じる気持ちがあれば…」
と後悔しているのだ。

弁護士を介して話し合いをしている時は、
その男のことをはっきり憎んでいたその女。
妻側についたその男について、
器の小さいズルいヤツだと思っていたはずだ。

だけどそれから3年程経ち、
その男は、
その女にとって、
本当に愛すべき人に変わっていた。

美しい、
愛の物語の主役に仕立て上げた。

その女は、
現実を直視するのが辛すぎて、
自分の居心地が良い解釈をした。

女盛りを10年近くも費やし、
慰謝料も払わされた。

だからせめて、
相手から純粋に求められ、
愛を掛けてもらっていたと思い込まないと、
生きる気力も出なかったのか。

可哀想な人だ。

ここまでくると、
少し狂気を帯びてくる。

その女に足りないのは、
相手の胸に飛び込む勇気や、
他人を信じる気持ちではない。

自分が直面する事実としっかり向き合い、
自分を信じることだ。

男から甘いマヤカシを掛けられても、
「それは嘘でしょ?
貴方は私を何だと思っているの?
バカにしないで。
私と結婚する気が無いのなら、
すぐに別れましょう」
と言わなくてはならなかった。

事実と向き合わないと、
目の前にある、
越えるべき山を避けることになる。

その山を越えないと、
いつまで経っても前に進めないことに、
早く気付かなければならない。

不倫相手男が未だにゆるせない、独身不倫女

私の夫が独身女との不倫を終えて、
3年余り経った。

私達夫婦は、
家族の再構築をしているところだ。
夫に対していろいろ思うことはあるが、
とりあえず次に進んでいる。

一方その不倫相手女は、
どうもまだ私の夫のことがゆるせないらしい。

その女は、
まだあの過去のあの地点に
立ち止まっているようなのだ。

過去のあの地点…

私の夫と不倫相手女が本当にお別れした、
2人の分岐点だ。

今の私達夫婦にとって、
過去の場所となったあの分岐点が、
その女にとっては未だ過去の地点ではなく、
ほぼ現在の地点だということだ。

どうやら、
その分岐点辺りをグルグル回ったり、
少し進んでみたけどやっぱり戻ったり、
その場で地団駄を踏んだりしているようだ。

確かに当時、
その女の怒りや怨念は凄まじかった。

夫は通勤途中で刺されるのではないかと
感じることもあった。

しかしそれは一時の感情で、
「よくよく考えるとそんな怒りは無意味。
お互い様の付き合いだったから仕方ない」
とじきに考えを改めるのではと思っていた。

だから、
まだゆるすことができないでいる、
というバリバリ現在進行形の怒りに、
私は驚いた。

あの怒りは一時の感情ではなく、
時間をかけて積もり積もった、
あの女の感情の集大成だった、
ということではないか。

恐ろしい粘着力と集中力だ。

それも驚きだけれど、
もっと私が驚いたのは、
「ゆるさない」という行為が、
上から目線だということだ。

「自分は被害者で何も悪くない。
男は加害者だからゆるさない」
と言っているように聞こえる。

確かにその女はその不倫のせいで、
機会を逃したり、
お金を失ったり、
心をかき乱れたり、
損失が大きかったのは理解できる。

しかしその損失の種を撒き育てたのは、
その女自身なのだ。

男に騙された訳ではない。
その種から育った、
みっともなく汚い植物は、
2人で仲良く長期に渡って
丁寧に育て上げたものだ。

その女はそんな不都合な事実を忘れ、
自分のむしゃくしゃ気分を全て、
元不倫相手にぶつけているのだ。

自分の心が荒んでいるのは、
その男から裏切られたから。
だからゆるさない。
ということらしい。

私の夫には、
本当に肝に命じてほしい。

遊びだしお互い様だと思っていた関係が、
一方的に悪者扱いされ、
3年経っても鮮やかに怨まれている。

怨まれている限り、
私の夫は本当の幸せに辿り着けない。

その怨みは間違いか間違いでないかは、
関係ない。

誤解から生まれた怨みでも、
立派な怨みだ。

狂った哲学を持った女と不倫をした
代償だ。

だからこの代償は、
夫が1人で背負うべきだ。

間違っても、
私や子供に火の粉が飛んでこないように
細心の注意を払い、
他人から怨みを買った事実を、
ずっと忘れないでいるべきだ。

不倫夫は、反論されたら腹を立てる男

10年近くも不倫をしていた私の夫は、
反論されたら腹を立てる男だ。

反論、
というのは言い過ぎかもしれない。

夫の意、
以外のことを提案すると腹を立てる、
の方が正しいかもしれない。

自分の発言や行動は、
周りの人間から肯定されるべきだ、
と考えている。

夫が何か言ったら、
「そうだね!それはそうだ!
しかも、それはこういうことにも繋がるね!」
と夫の意見に同調し、
更にそれを、
夫が望む方向に
話を発展させることができれば、
とても満足する。

しかしながら、
「そういう側面もあるけど、
違う方向から見たら別の考え方もあるよ?」
というような、
同調以外の意見を呈したもんなら、
直ぐにキレて、捨て台詞を放つ。

「オマエはオレに逆らうばかり。
いつもそうだ。
オマエと話しても面白くないから、
もうこんな話はオマエにはしない!!」

がしゃんとシャッターを下ろしてしまう。
取り付く島もないのだ。

「自分の考えが
正しいとか正しくないとか関係なしに、
自分の意見を通したい」
というのならば、
周囲の人は、
夫のイエスマンにならなくてはいけない。

仕事上の付き合いの人なら、
そんな感じで乗り切るのはアリだ。

「なんかおかしなこと言ってるけど、
和やかに会話が終わればいいか!」
ということで、
変だなと感じる話を聞いても、
冗談交じりのワハハで終了だ。

ちょっとした知り合い程度なら、
そんなノリでいくのが平和だ。

それ以上に介入する必要は無い。

だけど、
家族やパートナーは、
そんな違和感を見逃すべきではない。

共に生きる、
責任を負い合う仲間なら、
正直に自分の意見を言うのは、
正しい在り方だ。

そこで意見が食い違い、
穏やかな流れるような会話から、
緊張感のある会話に移行するのは
必要なはずだ。

家族が言わないと、
妻が言わないと、
他に誰が指摘してくれるのか?
誰からも、
矛盾や間違いを指摘されなくていいのか?

夫は、
自分の意見が流れるように通らないと
自分自身を否定されたと思うのだ。

カッコよくて頭がいい気の効いたオレ自身を、
否定されたと感じるのだ。

周りから、
自分のことを認められたい、
尊重されたいと願う気持ちが強いから、
周囲の評価に左右される。

周囲の評価からし
自分の価値を確認できないと思っているから、
違の意見に敏感になる。

パートナーや家族が
愛を持って唱える違の意見を、
反乱者の意地悪のようにしか
感じることができない。

愛の世界に包括された小さな地域、
「チカラワザの世界」の住人は、
チカラワザという理論しか知らないので、
人の意見の中にある「愛」がわからない。

遠い未来の見当がつかない
チカラワザ地域の住人は、
目先の心地よさを奪われたことに腹立たせ、
怒りを産み出す。

未来のことを考慮して
違を発した愛の世界の住人を、
陰を呼び寄せた悪者だと判定する。

愛を解ろうとしない人は、
愛を感じることができない。

愛が感じられない人は、
お金や名誉があっても、
渇望感が埋められない。

私の夫は、
全てイエスで対応する人が欲しかった。
だから簡単に不倫した。
不倫をすることで渇望感を解消したかった。
自分の存在を肯定したかった。

現在夫は不倫をしていない。

だけど、
チカラワザ地域から脱出できないのならば、
また不倫するのだろうと予想する。

そういう指摘されたら腹を立てる私の夫は、
愛の世界の方向に足を進め、
家族の居る世界に辿り着けるのだろうか。

彼の寿命が来るまでに。