私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

バックファイア効果にはまってしまった、独身不倫女

コロナウイルスに関するデマについて、
「バックファイア効果」
が起こっているという話がある。

バックファイア効果とは、
信じているものを否定されると
前より更に強く信じてしまうという、
心理学分野の用語であり現象だ。

但し、
この効果の存在について、
充分な検証ができていないから怪しい、
という話もあるようだ。

しかし私は、
この効果は「存在する」と考えている。

私は、
夫の不倫相手女を観察した結果、
これにあたいする現象が、
今まさに繰り広げられていると思う。

だから、
是非とも臨床研究の1ケースとして
カウントしてほしいのだ。

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その不倫相手女が信じていたものは、
「その男から愛されていた」
ということだ。

その男とは、
その女と不倫をしていた私の夫のことだ。

だけど妻に不倫が見つかり、
その男はその相手女との別れを決断した。

弁護士は
不倫カップルの別離は当然で、
妻への慰謝料支払いをすべきだと
その女に告げた。

要するにその女は、
その男との恋愛を社会的に否定された。

しかし法的整理が終了し、
いくらか月日が経った今、
「その男から愛されていた」
と信じる気持ちが
ますます強くなっているようなのだ。
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だから、
その男がその女の元に
戻ってくる可能性を感じたり、
その男が愛しているのは、
妻でなくその女なのだと思ったり
しているのだ。

その男は、
体裁の為に仕方なく家庭に戻ったのだと
想像している。

正しいカップルは、
「その男とそっちの妻」でなく、
「その男とワタシ」だと信じている。

そして妻である私は、
その女が
どうしてバックファイア効果にはまったのか、
考察を進める。

その女には、味方が少ない。
友人も少ない。
職場の人間関係も芳しくない。

本人は根も葉もないことを言われ、
悪者扱いされて嫌だというけれど、
私としては火のない所に煙は立たぬ、
という気がする。

そういう嫌われ者の独りぼっちにとって、
唯一の近しい人が、私の夫だった。

その女には、
私の夫しか残っていなかった。
だから、
何が何でもその男は離したくなかった。

だけど無理矢理引き裂かれた。

その男と会ったり話したりはもちろん、
接触も禁じられたので、
その女は、
その男を勝手に自分の心の中で生かした。

この時点で、
「本物のその男」と、
「その女の心の中で生きるその男」と、
2人のその男が誕生した。

その女は、
自分の心の中で、
勝手にその男の虚像を作り上げた。

その虚像は、
その女の都合に合わせて成長するので、
その女の欲しい言葉を発し、
好ましい行動をする。

その女は、
その男からしっかり愛されていた、
という確証が欲しいから、
妄想の中で、
薔薇色の恋物語が繰り広げられる。

あまりにも現実逃避したいその女は、
妄想と現実の区別がつけられない。

その妄想を現実のものと判定し、
「やっぱり彼は私を愛していた」
という確信に至るというわけだ。

もしかしたら、
私達がよく経験する、
「あの時は嫌だったけど今は良い思い出」
というのも、その類似版かもしれない。

だけどその女は、
病的にこじらせた歪んだ解釈なので、
私達がよく体験する事例なんて、
足元にも及ばない。

その女が今陥っているものこそ、
バックファイア効果そのものだと
私は感じる。

それにいったん陥ってしまうと、
事実を告げても、
逆効果になって、
最初に信じたことをより強固にするらしい。

そうなれば、
認知の歪みは更に酷くなる、
ということなのだ。

まさに泥沼だ。