私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫女が、バックファイア効果をより強固にした理由

私の夫と不倫をしていたその独身女は今、
「バックファイア効果」に
見事にはまっているようだ。

その女は、
「その男と愛し合っていたが、
妻から仲を引き裂かれた。
その男が愛しているのはワタシなのに」
だという妄想を産み落とした。

だけれども、
昔、
2人が愛し合っていたことも、
今、
その男がその女を愛しているということも、
どちらとも事実は全く逆だ。

その女が一方的に愛を押し付けただけだし、
現在その男は、
その相手女のことを疎ましく思っている。

要するに、
その男がその女を愛したことは
一度も無い。

しかし今、
その女がそんな妄想に駆られているのは、
もしかしたら、
私のせいもあるかもしれないと、
少しだけ心がざわついている。

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その女が、
慰謝料支払いを拒んでいる時、
私は弁護士に打開策を提案した。

「妻が大きなショックを受けたのは、
2人が愛し合っていたと思ったから」
ということを伝えてもらったのだ。

愛が得られなかった可哀想な妻に、
せめてお金を恵んであげよう、
という上から目線の慈悲でいいから、
早く決着をつけたかった。

実は当時その女は、
その男の愛が無いのを理解していた。

だから、
弁護士の話に異議があった。

「その男はワタシに興味なかったし、
愛していたのは妻だから、
妻がショックを受けたからお金を払え、
という主張は納得いかない!」
と叫びたかったはずだ。

だけど、
絶対に裁判は避けたかった。

だからその反論を飲み込み、
歯を喰い縛ってお金を差し出したのだ。

そして…
独りぼっちになって、
認識を180°変更したようだ。

「色々考えてみたけど、
やっぱりワタシは愛されていたんだ!
妻への気持ちはウソなんだ!」
とそれまでの認識を、
反対方向へ覆したようだ。

「妻が言っていたのが本当だったんだ。
妻は愛されていなかったから、
ワタシに激しく嫉妬したんだ。
可哀想なのは、
ワタシじゃなくてやっぱり妻の方だっんだ。
愛が無いからお金を貰うっていう考え方は、
とても不憫で不幸だね」
という解釈なのだろう。

確かに私は、
慰謝料交渉の時、
その不倫相手女がそう考えてくれたら…
という気持ちだった。

その女を気分良くさせれば、
交渉が円滑に早く終わると思っていた。

妻が創った愛の物語は、
あくまでその交渉時だけ
本当のことのように扱われ、
交渉後は、
悲しい真実を思い出したその女が、
打ち消すものだと思っていた。

しかし現実は、
その女は妻が創った愛の物語を、
実際のこととして分類し、
その女とその男の、
やるせない儚い物語に仕立て上げたのだ。

だからだろう。

その男に、
「ワタシの元に戻ってきたらゆるします」
という気持ちになるのは。

この嘘の物語を打ち消すことができるのは、
私の夫しかいない。

私の夫が不倫相手女に、
「貴女を愛したことはことは無いし、
もちろん今も愛してない。
貴女と関わって嬉しいと思ったことは無く、
今後も絶対に関わりたくない」
とキッパリ言い切ることができれば、
いいのだけれど。