私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫相手男が未だにゆるせない、独身不倫女

私の夫が独身女との不倫を終えて、
3年余り経った。

私達夫婦は、
家族の再構築をしているところだ。
夫に対していろいろ思うことはあるが、
とりあえず次に進んでいる。

一方その不倫相手女は、
どうもまだ私の夫のことがゆるせないらしい。

その女は、
まだあの過去のあの地点に
立ち止まっているようなのだ。

過去のあの地点…

私の夫と不倫相手女が本当にお別れした、
2人の分岐点だ。

今の私達夫婦にとって、
過去の場所となったあの分岐点が、
その女にとっては未だ過去の地点ではなく、
ほぼ現在の地点だということだ。

どうやら、
その分岐点辺りをグルグル回ったり、
少し進んでみたけどやっぱり戻ったり、
その場で地団駄を踏んだりしているようだ。

確かに当時、
その女の怒りや怨念は凄まじかった。

夫は通勤途中で刺されるのではないかと
感じることもあった。

しかしそれは一時の感情で、
「よくよく考えるとそんな怒りは無意味。
お互い様の付き合いだったから仕方ない」
とじきに考えを改めるのではと思っていた。

だから、
まだゆるすことができないでいる、
というバリバリ現在進行形の怒りに、
私は驚いた。

あの怒りは一時の感情ではなく、
時間をかけて積もり積もった、
あの女の感情の集大成だった、
ということではないか。

恐ろしい粘着力と集中力だ。

それも驚きだけれど、
もっと私が驚いたのは、
「ゆるさない」という行為が、
上から目線だということだ。

「自分は被害者で何も悪くない。
男は加害者だからゆるさない」
と言っているように聞こえる。

確かにその女はその不倫のせいで、
機会を逃したり、
お金を失ったり、
心をかき乱れたり、
損失が大きかったのは理解できる。

しかしその損失の種を撒き育てたのは、
その女自身なのだ。

男に騙された訳ではない。
その種から育った、
みっともなく汚い植物は、
2人で仲良く長期に渡って
丁寧に育て上げたものだ。

その女はそんな不都合な事実を忘れ、
自分のむしゃくしゃ気分を全て、
元不倫相手にぶつけているのだ。

自分の心が荒んでいるのは、
その男から裏切られたから。
だからゆるさない。
ということらしい。

私の夫には、
本当に肝に命じてほしい。

遊びだしお互い様だと思っていた関係が、
一方的に悪者扱いされ、
3年経っても鮮やかに怨まれている。

怨まれている限り、
私の夫は本当の幸せに辿り着けない。

その怨みは間違いか間違いでないかは、
関係ない。

誤解から生まれた怨みでも、
立派な怨みだ。

狂った哲学を持った女と不倫をした
代償だ。

だからこの代償は、
夫が1人で背負うべきだ。

間違っても、
私や子供に火の粉が飛んでこないように
細心の注意を払い、
他人から怨みを買った事実を、
ずっと忘れないでいるべきだ。