夫に失恋した日
不倫の証拠を目の当たりにし、
私はPTSDになった。
あまりにも激しいショックを受けた。
会話は少なかったけど、
夫は、私を妻として認め、
全面的に信頼していると思っていた。
私は、あんな気難しい男の人に対し、
文句が出ない対応ができている、
という自負があった。
夫がいつも家でイライラしていたのは、
仕事のストレスだと思っていた。
帰宅がいつも遅いのは、
残業後の、ストレス発散の呑みだと思っていた。
だけど彼は、不倫をしていた!!!
帰りが遅かったり、
帰らなかったりしたのは、
女と時間を過ごしていたからだったのか。
私を信頼しているようにみえた態度は、
ただの無関心だったのか。
家でイライラしていたのは、
私のことが嫌だったのか。
…
私は彼のことが大切だと思っていたけど、
彼が大切にしていたのは、
不倫相手の女だったということだ。
今までの私の解釈は間違っていた。
私はひとりぼっちだったのだ。
しかも10年近く。
お互いの信頼は、
ひとりよがりの幻に過ぎず、
私の片想いだったということだ。
それまでの結婚生活では
気付いていなかったけど、
私は夫のことが大好きでたまらなかったらしい。
こうなって初めて、
私がいかに夫のことが好きなのかが、
わかったような気がした。
動悸と息切れと、止まらない涙。
失恋の痛手は大きく、
私は心身ともにボロボロになった。