私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

夫の不倫、法的整理後にわかったこと

夫の不倫について、
相手女から慰謝料を受け取り、
不倫終結の誓約書を交わし、
表向きのゴタゴタは一応終わった。

ここで、
弁護士との契約も終了となった。

しかし私の中では、
まだ全然終わっていない。

PTSDうつ病は治らないし、
ふたりの不倫の成り行きについて、
まだ理解できない事が沢山あった。

その中でも、
私が一番謎だったのが、
「どうしてこんなに長期化したか」
ということだ。

夫側にとって、
全く愛の無い不倫だった。
というより、
相手女をモノ扱いして蔑み、
「人間」という枠に入れてもいなかった。

長年の不倫を終えた後、
その女に対して、
「ありがとう」や「ごめんね」
という言葉は出てこなかった。

その女に対して、
感謝も無ければ、自責の念も無い、
ということなのだという。

終わったからもう関わらないで、
というだけしかないのだ。

そういう冷たい気持ちしか持てない女と、
関係をずっと続ける努力をしたのが、
本当に謎だった。

夫が言っていた、
「グチと性交の相手」
という理由では腑に落ちなかった。

それだけでは、
10年近くも持つとは思えなかった。

愛以外に、
その女しかない、
何か固有のものがあるはずだ。

ふたりの間を繋ぎ止めていた、
大きなパワーは何だったのか、
明らかにする必要があると思った。

その大きなパワーの正体は、
「夫の闇」と直結するから、
知らなければならないと感じた。

そして私が
かねてから引っ掛かっていた、
幾つかの事柄をことを洗い出した。

………
その女は、
夫を下に見ている発言や行動があること。

何度か、妊娠疑惑の過去を取り上げ、
その女は被害者だと訴えていること。

ふたりの不貞行為について、
バレたくないんでしょ?
私はバレても全然いいけど。
と言っていること。

その女は
自分のことを純粋で可哀想だと言い、
不倫相手である私の夫のことを、
ズルい人だと明言していること。
………

その女は結構言いたい放題で、
逆に私の夫は、
文句を言われるばかりだったのだ。

その女から私の夫に対しては、
「…してあげる」とか、
「…それより、この案がいいんだけど」とか、
何かと同等、
というより上からの発言が目立つのだ。

メールでのパワーバランスは、
その女の方が強いとしか読み取れない。

何よりこの不倫関係、
利益が大きいのは女の方だった。

これらのことから、
この不倫は対等ではなく、
その女が主導していたのではないか、
と私は考えたのだ。

考えてみれば、
不倫を仕掛けたのもその女だった。

そして、
ふたりをつなぎ止めていた大きなパワー…

それは、
相手女からの脅迫。

不倫がバレたら困るのは男。
腹違いの子ができて困るのは男。
カッコ悪い身のこなしがバレて困るのは男。

「貴方はスマートなデキる男、
ってことに世間ではなっているから、
こんなことが会社や奥さんに知られたら、
本当は頭が悪いトラブルジジイだって、
バレちゃうからヤバくね?
カッコいい男のお面を外したくないなら、
私と別れられないね」
ということなのだ。

脅迫をきっかけに洗脳され、
マインドコントロールされていた。

それで私の夫は、
不倫相手女に従い続ける以外の道は無かった。

「ふたりの関係を
コントロールしているのはオレ」
という間違った暗示を自分自身にかけて、
自分がその女から強いたげられている、
という事実から目を背けた。

私の夫は、
見下していたはずの女から、
操られているという事実が、
受け入れられなかった。

弱い自己肯定感しか持っていなかった夫は、
自分自身を守る為に真実を曲げ、
何とか心のバランスを取ろうとしたのだ。

ここまでの解明ができたのは、
誓約書を交わした後だった。

私の夫が脅迫されて、
不倫を無理強いされていたのなら、
慰謝料の金額や、
誓約書の内容も変えるべきだ。

慰謝料が、
夫と折半なんてあり得ない。
大部分は、その女の支払いにすべきだ。

だけどもう、
法的処理は終わった後だった。

私は、
相手女にやられた!
という後味悪い気持ちになった。