私は一度死んだことがある

夫の不倫をきっかけに、いろいろな事をいろいろな角度から考える

不倫相手女からマインドコントロールをされていた男は、小さな世界の住人だ

私の夫は激しい性格だ。

他人と関わる時は自分の損得で計算し、
自分の利益にならない人は、
容赦なく切り捨てる。

だから夫の理論でいうと、
夫の周りには
夫に利益をもたらす人しかいない、
ということになる。

自分の利益になると見込んだ人には、
気に入られるように、
はたまた嫌われないように、
入念にフォローする。

相手の好きなことや嫌いなことを把握し、
定期的に連絡し、
様子を伺って気にかけてあげ、
相手との空間感を絶妙に読み、
相手から気に入られるように努力する。

それは、
自分のビジネス関係者だけではない。

プライベートで出会う人に対してもだ。

夫は、
その相手のことが純粋な意味で好きだから、
という理由でそうしているのではない。

そこに、
暖かい友情や愛情は全く無い。

自分が、
気前がよくていい人だと思われているか、
明るくて優しい人だと思われているか、
魅力的でカリスマ性があると思われているか、
みんなの人気者になれているか、
ということが目的だ。

表面的な人気取りしか関心がなく、
他人を自分でコントロールしようとする。
パワーで蹴りをつけようとする。

人と人の関係は、
始終、チカラ関係だと思い込んでいた。

チカラの大きさで勝敗が決まる世界で
生きていたその男は、
不倫相手女のチカラに負けた。

暖かい友情や愛情の存在を
確かに理解している人なら、
負けない勝負だった。

だけど私の夫は、
勝つためにはチカラだけが必要だと
思い込んでいたから、
あっけなく敗北し、
不倫相手女の配下に就くことになった。

私の夫は激しい性格だけど、
精神的に弱い部分がある。
その女は、
そこを上手く突いてきた。

そして、
その女からマインドコントロールをかけられ、
歯向かうことができない、
手足を縛られた囚人に成り下がった。

でも、
自分がチカラで負けたということが
理解できなかったから、
自分は不倫相手女より勝っていると、
真実とは逆の結論を導きだした。

自分が望んで、
相手女と交流をしていると思い込んだ。
自分の都合の良いように、
相手女を動かしているのだと思い込んだ。

チカラが強い、弱いの世界で生きている、
私の夫とその不倫相手女は、
小さな世界の住人だ。

自分の生きている「チカラの世界」が、
「愛の世界」に包括されている、
小さな地域であることを知らない。

小さな地域の中で刀を振り回し、
相手から斬られたり、
相手を斬ったりして、
小競り合いを繰り広げている。

刀を振り回すと危ないけど、
それしか術を知らない。

そしてその小競り合いの勝者は、
勝敗が決まった後、
敗者を刀で更に傷付け続ける。
敗者は勝者から傷付けられ続ける。

傷付ける方は、
刀で相手の身を斬る作業に疲れ、
傷付けられる方は、
流血箇所が増えるばかりで衰えてしまう。

その世界しか知らない2人は、
「マインドコントロールの加害者と被害者」
という対照的な関係でありながら、
向かった先は同じ道だ。

更に闇深くぬかるんだ、
破滅への一本道だ。

その暗闇に向かう道しか見えない2人は、
人生って苦しい、
生きていても楽しいことはない、
という結論しか出せない。

だって、
小さな世界しか知らないから。

そんな世界しか知らない2人は、
その周りにある「大きな愛の世界」の存在が
理解できないまま、
生涯を閉じることになるのかもしれない。

とても残念だけど、
その可能性はとても高い。